dis's habits.

習慣としての日記付け。

日本の最後の昭和文化的に生きた世代(習慣継続68日目)

ジブリ宮崎駿監督のドキュメンタリー番組を観る機会があった際の話。

 

『うちのスタジオで資料用にアルコールランプに火を点けたら、入社した若い奴ら”初めて生の火を見ました!”だってよ。そんなのあの猛々しいリアルな火の勢いを表現出来る訳ないじゃん。動画で見るのと実際に体験するのとでは、あの肌が焼け付く様な暑さや幻想的に照り返る赤黒い光は感じれない。もう、アニメーション界のピークは過ぎたと感じた。』

 

宮崎駿監督は通常、写真みたいな平面的な版画を用いるアニメーションの世界で、人の肉眼を通して見る遠近感と立体感のある景色を表現した版画を製作し、それらをアニメーションに用いる事で有名な監督さんなので、特にこういう発言に至ったのだろうと思った。

 

自分たちの世代はギリギリだったけど、小学校にキャンプファイヤーの体験学習があったし、理科の実験でそもそもアルコールランプも使えたし(今は授業中に火を起こせないらしくて、それにはビックリした。)、そもそも友達とかとキャンプとかBBQとか、沢山色んな経験を目に入れてきた。

 

キャンプファイヤーでいえば、マイムマイムの曲に合わせて、漢字の「井」の形に組まれた組み木から捲き起こる大炎の周りをクラスのみんなで手を繋ぎながらぐるぐる踊り歩いた。

 

曲が一巡する毎に右隣の人と並びを入れ替える手順があったから、あのとき好きだった女の子と手を握るチャンスがもしかしたら自分に来るのではないか。曲よ永遠に止まらないでくれ。と、夏の夜の夢。

 

ワクワクした。今、思い返しても幻想的な一夜だった。

 

自分のたった4つ下の世代が既にこれらの経験を大人になって自由にやれる環境にあっても、今の世の中の文化的にも、そこから養われた個人的な生理欲求的にも「よし、やってみよう!」とは、思いづらくなっている様子なんかを見ると、最近思うのは、”日本の最後の昭和文化的に生きた最も若い世代”といえるのではないかと自分たちの世代。(自分=ゆとり入り口世代。)